こんにちは。Haoです。
突然ですが、HSP(Highly Sensitive Person)という言葉をご存知でしょうか?
HSPとは、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士によって見いだされた概念で、生まれつき感覚情報を処理するプロセスが高度(深く細かい)な人々のことです。
性格的な特性のひとつで、人よりも刺激に敏感かつ感覚が鋭いため、音・光・匂い等に必要以上に反応したり、他人のささいな言動や感情の動きに振り回され、疲れてしまいます。日本では「繊細さん」「敏感さん」とも呼ばれています。
(個人的には「繊細」とはあまり思わないのですが...。)
私がHSP気質を持っていると自覚したのは、約6年前。
当時、デンマークにある全寮制フィルムスクールに留学していたのですが、そこでの生活が「刺激的」すぎたのがきっかけです。
(先生も生徒も学内の寮でともに生活するスタイルで1人になれる時間が限られていたことに加え、1日何本も観る映画に感情移入しすぎて、脳内ぐちゃぐちゃでした...。)
私がシンプルライフやインテリアにこだわるのも、少なからずHSPであることが影響しています。
小さな不快感が大きな苦痛につながりやすいから、そういったものはできる限り取り除いて、好きなものに囲まれた暮らしがしたい。
そう思って部屋や暮らしを整え出してから、ご機嫌に過ごせる時間が増えました。
HSPの敏感さを逆手にとって、小さな「すき」を、大きな喜びにつなげられたことで、自信もつきました。
ただ、それでも「本当にHSPなのか?」と思う部分もあったのが正直なところ。
HSPというだけでは説明のつかない生きにくさというか、時に自分があまりにも矛盾していると感じることがあったからです。
また、日常生活でうまくいかないことに名前をつけて逃げたい or 安心したいだけなのでは?と思っていたこともあります。
最近になって、HSPに「HSS型」なるものが存在することを知りました。
HSSとはHigh Sensation Seekingの略で、日本語にすると「刺激を追求する」という意味。
つまりHSS型HSPは、「非常に敏感なのに、刺激を求めてしまう人」です。
先程のフィルムスクールの件もそうですが、疲れる・傷つくと分っていても、新しい経験や情報(刺激)を求めてしまうのです。
よく「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる人」とも言われるそうですが、まさにそんな感じ。
他にもこんな特徴が...
- 刺激は求めるが、外に出ると疲れる
- やらなきゃわからないと思うが、いろいろ想像すると踏み出せない
- やる気満々で物事に取り組んでも、飽きやすくゴールにたどり着けない
- はたから見ると元気で外向的で社交的だが、本当は違う
- 冷静に見えるが、じつはイライラドキドキひやひやしている
- 人とすぐに仲良くなるが、少しすると距離ができる
- ハイテンションなのに、小さな発言にクヨクヨ悩む
- 自虐ネタを披露するのに、いじられると傷つく
- 大胆なくせに、小さなミスを後悔する
- 好奇心が強いけど、警戒心も非常に強い
- 自己肯定感は低いが、心のどこかに自信もある
(出典:HSP/HSS LABO https://hsphsslabo.com/hss)
これがね、もうあてはまりすぎてびっくり!
HSPであることに気づいた時よりも衝撃的でした。
暮らしもキャリアも、「シンプル」にすればいいわけじゃないのかもしれない。
HSS型HSPとわかって、これからのことを少し考えてみました。
で、行き着いた答えが、上のタイトル。
暮らしもキャリアも、「シンプル」にすればいいわけじゃないのかもしれない。
HSPを自覚してから、意図的にシンプルさを追求してきました。
特にマルチタスクは避けて、人付き合いも最小限にして、仕事も基本的には翻訳のみ。
結果、確かに寝込むほど疲れ果てたり、傷ついたりすることは少なくなりました。
でも、何かが違うのです。
そこで少し過去を振り返ってみました。
小中学生の頃は、放課後に習い事をぎっしり詰め込んでいました。
大学では、主専攻の他に、副専攻も取っていました。
とにかく、同時進行的に複数のものごとを進めるのが好きだったみたいです。
そして、今までのキャリアを振り返ってみたときに一番働きやすかったのは、意外にも「教育系の会社でマルチなポジションの仕事(教務・経理・総務etc.)を担っていたとき」と、「ドイツでフリーランス翻訳者をしつつ、現地の日本カフェのホールスタッフもしてて、さらにシリア人難民キャンプでボランティアをしていたとき」なのです。
(ドイツのシリア人の難民キャンプ)
HSP的にはどちらも刺激過多に陥りそうな環境ですが、振り返ってみれば、実はひとつひとつに深入りしすぎずに済む(一つのコミュニティに染まりすぎずに済む)ため、案外疲れにくかった気がします。気持ちの切り替えがしやすかった、とも言えるかもしれません。
さらに同じことの繰り返しではなく、新しいことにも触れられるので、刺激が欲しいHSS的にも満たされた環境だったのだと思います。
そして、何よりもやっている別々のことが、何らかの形で掛け合わされて生まれるシナジーが大好きだったな、と思い出しました。
(難民キャンプのボランティアは、学生時代に国際移民学を学んでいて知識があったことと、ドイツのカフェで働いていたため保健所で衛生講習を受講済みだったので即戦力になれたことがきっかけで得た機会でした。)
これからもそんな化学反応を楽しめる生き方がしたければ、シンプルさやミニマルさばかりを求めるのではなく、もっと雑多な状態を受け入れていく必要があるように感じたのです。
目に見えるモノも、見えないモノも、「断捨離」して、身の回りにあるのが好きなモノだけになってなんとなくスッキリした気分になっていたけれど、「無駄」と思っていたモノが、実は大切なモノだったって気づくことが最近多いのです。
「シンプルライフ」ブログなのに、矛盾したこと言ってごめんなさい…って感じなのですが、これが今の本音です。
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ここまでお読みいただきありがとうございます。
ここ1〜2か月、ずっと頭の中をぐるぐるとしていたことが、やっと少しアウトプットできる段階になったので、思考の整理も兼ねて書いてみました。